熱伝導率が高く高温による影響を受けやすいアルミニウムは、歪んでしまうなどのトラブルで使い物にならなくなることもあります。歪んでしまった場合、矯正処理をして製品として使える状態にします。ここでは、アルミ製品製造で生じた歪みの矯正方法についてご紹介しています。
また、アルミニウム合金には様々な種類があり、何を作るかで使う種類が異なります。
トップページでは、目的にピッタリなアルミの熱処理会社を紹介していますから、そちらもご覧になってくださいね。
アルミニウムは熱伝導率が高いことからも、高温になるほどひどい歪みを生じていきます。熱で溶けて膨張し、冷える事で収縮するからです。また、製品内に残留応力が発生することで、加工歪みが発生してしまいます。
アルミ鋳造品は薄い形状のものが多い事からも、できてしまった歪みを加工して直すのは至難の業。切削加工以外での修正になります。
アルミニウムの形状や材質によっては、熱処理が原因で変形することがあります。溶体化処理における過熱状態を維持する際に、熱や重さ、もしくは急に冷やすことで起こります。変形程度によっては製品として使えなくなってしまうものもありますので、修正を加えて使えるようにします。これを「矯正」といいます。別名、「歪み取り」や「くるい取り」とも呼ばれており、200~300度程度の熱処理を施します。
外形の寸法が歪んでしまった場合に行われる方法で、T4やT5、T6などの熱処理でみられます。溶体化処理の後、水で冷やした直後に叩いて矯正。その後に時効硬化処理をおこなっても、その寸法はほとんど変わりません。
油圧による矯正は、ハンマーで時間がかかる大きいアルミ鋳物製品などを対象にしています。油圧ポンプの作動で、圧力を持った油を油圧シリンダに送り、シリンダ内のピストンを動かしてスライドの上下運動に変換。複雑な歪みや部分的な歪みを矯正します。
アルミの矯正について、解説している動画の内容を一部抜粋し簡単にまとめました。ぜひ参考にしてください。
※引用元:アルミエース公式YouTube(https://www.youtube.com/watch?v=gP0S64VID0Q)
矯正が行われるタイミングは熱処理方法によって異なります。ごく稀に、叩いてから熱処理を行なうケースもありますが、通常、矯正をするタイミングは熱処理をしてからです。
T5処理やアニール処理という熱処理方法では、200℃〜300℃程度の低い温度で処理が行なわれ、熱処理から取り出したタイミングで矯正をするのが通常の流れです。
つぎにT4やT6などの溶体化処理と言われる熱処理方法では、500℃程度の熱で合成アルミニウムを熱したのち、水槽に入れ、そのタイミングで矯正が行なわれます。
水槽の水は大体40〜60℃程度あり手で持つと熱いですが、濡れたものを台の上に載せるなどをして修正するようです。水に浸けてから4時間以内であれば、まだ柔らかく叩きやすくなるため、規格としては4時間以内に矯正を行なうとなっています。4時間以上経つと硬くなってしまい、無理に叩くと割れる恐れがあるので注意しましょう。
矯正が終わったら、焼き戻しなどの人工時効硬化処理をするため再び熱処理を行ないます。
まとめると矯正のタイミングは、T5処理やアニール処理の場合は、熱処理が終わってから行ない、T4やT6などの熱処理の場合は溶体化処理が終わったタイミングです。
※動画より一部抜粋しまとめています
ハンマーでは直らない場合でも油圧式プレスを用いて矯正を行えます。
アルミエースは国内最大級のアルミ専門熱処理企業。独自の油圧式プレスで厚みのあるプレートや大型構造材、円筒形状の歪みや、大型フレームのゆがみにも対応可能です。
必要な矯正の診断や細かい要望にも柔軟に対応することができます。アルミ熱処理のプロにぜひ一度ご相談ください。
会社名 | アルミエース株式会社 |
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住所 | 群馬県邑楽郡千代田町大字赤岩3296-1 |
電話番号 | 0276-86-6475 FAX:0276-86-6583 |
2023年3月16日時点、Googleで「アルミ熱処理会社」と検索し、全14ページ目までに公式HPが表示されている41社からアルミ熱処理に対応している会社を32社選定。そのうち、それぞれの目的に適した3社をご紹介します。
緊急の熱処理なら…
24h受付・T5即日対応可能
大型アルミの熱処理なら…
40tまで入る大型炉あり
大量の熱処理なら…
用途が異なる50基を用意
※選定条件
2023年3月16日時点、Googleで「アルミ熱処理会社」と検索し、14P目までに公式HPが表示されており、HP上でアルミ熱処理に対応していることがわかる41社から32社を選定。そのうち、以下の理由から3社を選定しました。
アルミエース:T5は当日、T6は翌日対応が可能で、今回調べた企業のうち最も対応スピードが速い
光陽産業:保有している大型炉のサイズが3000W×2300H×6000Lと、今回調べた企業のうち最もサイズが大きい
南信熱錬工業:工場内にある炉の数が50基と、今回調べた企業のうち最も炉の数が多い