焼き戻しは、焼き入れにより硬くなりすぎたりもろくなってしまったアルミ素材を、再加熱・冷却処理することで製品として使えるようにする処理方法です。ここでは、焼き戻しについてご紹介しています。
また、アルミニウム合金には様々な種類があり、何を作るかで使う種類が異なります。
トップページでは、目的にピッタリなアルミの熱処理会社を紹介していますから、そちらもご覧になってくださいね。
アルミ素材に熱処理を加える事で、その性能や精度を高める事ができます。アルミニウム合金の強度が高め硬くする方法としては、「焼き入れ」「焼き戻し」があり、焼き入れによる熱処理と急冷後、焼き戻しで再度熱処理を加えて冷却します。
焼き入れは、約500度に加熱したアルミ素材を水で急速冷却する熱処理工程の一つです。冷却する水の温度が低いほど高い強度が得られますが、変形や残留応力などの歪みも発生しやすいので注意が必要。そのため、歪みを回避する方法として空冷がとられることもあります。
また、冷却速度が速いほど強度が上がります。水に入れた際に沸騰膜が発生しますが、これが長く残っているほど冷却に時間がかかっている事になります。水温だけでなく、十分な水量と熱処理素材同士が接しない間隔を十分に取る必要があります。
焼き戻しでは、焼き入れしたアルミ素材を再加熱し冷却処理します。わざわざ再度熱処理をおこなうのは、焼き入れした材料は強度が高すぎたり、もろくなってしまうなどで製品に使えなくなってしまうことがあるからです。しかも、焼き入れで生じた問題点の改善だけでなく、残留応力の除去も可能にしています。
また、アルミニウム合金での焼き戻しは人工時効硬化とも呼ばれており、低温焼戻しと高温焼戻しと2種類あります。
150〜200°Cの熱処理で、保持時間は1時間。焼き入れによりもろい状態になっていた素材が、硬くて粘りのある状態に変わります。また、焼き入れで受けた負荷を取り除き、耐摩耗性や割れを予防。経年変化にも負けない強さを備えます。
主に靭性(ねばり)の改善に用いられる熱処理で、550~650度の高温で1時間ほど加熱し、水や油、空気で急冷します。低温焼き戻し以上の強度が得られるので、高温焼戻しした素材は高級刃物や歯車、シャフトなどの工具に使われています。
アルミの硬さを計測することについて、解説している動画の内容を一部抜粋し簡単にまとめました。ぜひ参考にしてください。
※引用元:アルミエース公式YouTube(https://www.youtube.com/watch?v=ZBhmBDYxJ70)
アルミの硬さの測定方法は、通常、ロックウェル(HRB)とブリネルの二つの規格のどちらかから選びます。
ブリネル式では、おもりの球を押し付けた後の穴の大きさで硬さを測定します。例えば直径10㎜の玉を500kgの重さで押しつけて、柔らかければめり込むため穴が大きくなり、硬ければ穴が小さくなるというものです。マイクロスコープで穴の直径を測り、楕円の場合は平均値を取ります。
ロックウェルは、針で硬さを計測するもので、三か所測って平均値を取ります。表面の滑らかさや、がたつきによって測定値が変わってくることがあります。
ロックウェルとブリネルでは、どちらかというとブリネルの方が正確ですが、ものが小さく測る場所がないときにはロックウェル、といったように、ものによって測定方法を選びます。
硬さというのは、基本的に基準値を超えた数値が出るということはなく、硬すぎる分には問題ありませんが、柔らかいものは注意が必要です。ロックウェルもブリネルも、柔らかいものであれば、どこを計測しても硬く出ることはありません。
柔らかいものや熱処理不良のものを出荷しないためには、正確な温度管理や詰め方、手順書に従った作業が必要になるため、信頼のできる熱処理会社に相談しましょう。
※動画より一部抜粋しまとめています
焼き戻しは、焼き入れによって硬くなりすぎたりもろくなってしまったアルミ素材の問題点を改善し、素材にかかっているストレスや残留応力を除去します。素材の状態によって低温もしくは高温とその処理方法も微妙に異なります。希望通りの製品を作るためにも、焼き戻しに詳しい、実績も豊富な会社に依頼すると安心です。
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