非熱処理型合金と熱処理型合金に大別できるアルミニウム合金は、目的や素材によって熱処理方法も変わってきます。ここでは、熱処理における材料の区別を容易にする質別記号についてご紹介しています。
また、アルミニウム合金には様々な種類があり、何を作るかで使う種類が異なります。
トップページでは、目的にピッタリなアルミの熱処理会社を紹介していますから、そちらもご覧になってくださいね。
アルミニウム合金は非熱処理型合金と熱処理型合金で大別でき、さらに細かい分類がされています。質別記号は、各アルミニウム材料の機械的性質をわかりやすく区別するために作られた記号です。 質別記号は数十種類とありますが、基本となるのがF、O、H、W、Tの5つで、これに数字がつきます。また、5つの記号は下記のように定義されています。
機械的性質や耐食性を高めることを目的にした熱処理です。数百度と高温で加熱し、アルミ中に含まれている物質を溶け込ませる溶体化処理をおこなった後、水もしくは空気で冷やします。その後は人工時効処理などをおこなわず、そのまま放置。放置期間は一般的には4日ほどですが、7N01など1カ月以上と長く時間をとる場合もあります。
溶体化処理ではなく約160~220℃の加熱処理をおこない、素早く冷ました後、機械的性質の向上や寸法の安定化を促すために人口時効硬化処理をおこないます。特に、押出による高温加工の処理後に冷却することで焼入れ効果が得られやすい合金や鋳物に向いています。ただ、過飽和度はそこまで高くないので、析出量は少ないです。
アルミ合金の熱処理でもポピュラーな方法で、熱処理のなかでもアルミニウムの強度を上げるのに適した処理方法です。高い強度が必要な製品や、切削加工性の向上を目的にした製品でおこなわれています。 その加工方法は、液体化処理後に水冷(焼入れ)をおこない、人工的時効化処理(焼き戻し)をおこないます。塑性変形による冷間加工をおこなわなくても、優れた強度を得る事ができるのが特徴です。
溶体化処理をした後、焼き戻し温度を上げることで残留オーステナイトが分解されにくくする安定化処理を施します。強度よりも特別な性質を引き出すことを目的にしています。 主に7000系の合金に用いられることが多く、時効処理の温度が約220℃程度と高いだけでなく、焼き戻しの時間は少し長めにされていることもあります。
基本記号 | 細分記号 | 意味 |
---|---|---|
F:製造のまま | ||
O:焼なまし(最も柔らかい状態) | ||
H:加工硬化 | H1 | 加工硬化だけ |
H2 | 加工硬化後適度に軟化熱処理 | |
H3 | 加工硬化後安定化処理 | |
H4 | 加工硬化語塗装 | |
W:溶体化処理(溶体化処理後常温で自然時効する合金だけに適用) | ||
T:熱処理 | T1 | 高温加工から冷却後自然時効 |
T2 | 高温加工から冷却後冷間加工を行い、さらに自然時効 | |
T3 | 溶体化処理後冷間加工を行い、さらに自然時効 | |
T4 | 溶体化処理後自然時効 | |
T5 | 高温加工から冷却後人工時効硬化処理 | |
T6 | 溶体化処理後人工時効硬化処理 | |
T7 | 溶体化処理後安定化処理 | |
T8 | 溶体化処理後冷間加工を行い、さらに人工時効硬化処理 | |
T9 | 溶体化処理後人工時効硬化処理を行い、さらに冷間加工 | |
T10 | 高温加工から冷却後冷間加工を行い、さらに人工時効硬化処理 |
「T4・T5・T6・T7」について、違いを解説している動画の内容を一部抜粋し簡単にまとめました。ぜひ参考にしてください。
T4・T5・T6・T7とは質別記号と言われるもので、アルミの熱処理をどのように行なったかを表す記号です。
「T4」は、溶体化処理という500℃前後の熱から水に急冷する処理を行ない、焼き戻しなどの人工時効硬化処理をせずに大気中に置いておきます。
「T5」は、溶体化処理をせずに焼き戻しなどの人工時効硬化処理だけを行なったもので、若干強度を向上させたりする際に選ばれる方法です。
「T6」は、一番よく行われる熱処理です。溶体化処理を行なったのち、人工時効硬化処理をするため硬さがより確実になります。
「T7」は、過時効という熱処理で、焼き戻しの時間をプラス2時間程度延ばすことで目的の硬さに調整することが可能です。
※動画より一部抜粋しまとめています
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